会場とオンラインによるライブ配信

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協会長のご挨拶

第 79 回セメント技術大会開催にあたって

 セメント技術大会は今年で第79回を迎えました。本大会は、1947年の第1回開催以来、セメント及びコンクリートに関する基礎研究から最近関心の高い環境・リサイクル技術に至るまで、幅広いテーマの研究発表や技術交流の場として、セメント産業の発展とセメント・コンクリート技術の向上に多大の貢献をしてきました。セメント技術大会は、学識経験者の参加協力を得ることで、学術団体の側面も兼ね備えたセメント協会の重要な事業と位置づけ、今後もセメント産業の社会的責務として情報を発信してまいります。本大会を通じて研究開発を活性化し、セメント関連技術の向上、カーボンニュートラルへの貢献、循環型社会構築などの社会的責務を果たしてまいります。

 本大会の開催の形式は、一般研究発表や特別講演などを会場で実施するとともに、より多くの研究者・技術者に参加していただけるよう、オンラインでライブ配信することと致しました。今大会の一般研究発表件数は、126件であり、内訳は、環境・リサイクルが42件、コンクリートの耐久性が14件、混合材・混合セメントが10件、セメントの水和反応と反応生成物の特性が6件、セメント製造技術が6件、また、セメント協会が普及促進に力を入れているコンクリート舗装が5件、セメント系固化材が4件などとなっており、セメント・コンクリートの材料科学や環境関連の技術など多岐に亘って発表が行われます。全体の約7割が35歳以下の方からの発表であり、今回の大会も引き続き若手研究者・技術者の登竜門としての役割を果たしているものとしっかり手ごたえを感じております。

 大会二日目には特別講演として、東京大学 大学院工学系研究科 建築学専攻の野口貴文教授に「セメント・コンクリートによるCCUSを通じたカーボンニュートラリティ・サーキュラーエコノミーの実現」と題してご講演をいただきます。セメント・コンクリートのCCUSに関する最新技術、これらの技術の社会実装の最前線、2050年カーボンニュートラルの達成に必要な取組みなど、我々セメント・コンクリート業界が直面している課題についての貴重な情報をご提供いただけるものと期待しております。

 本大会がセメント・コンクリート分野の研究者・技術者の方々にとって日頃の研究成果を発信する場、情報・意見交換の場として益々有用な機会となること、更に若手研究者・技術者の貴重な成長の機会となることを心から願ってご挨拶とさせていただきます。